聴講レポート『診るちからを育てる症例検討』6期4日目

 

 

Tender Space4日目の午前中は岡村乃里恵先生と水町幸恵先生よる「診るちからを育てる症例検討」の講義でした。

 

 

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衛生士としての遣り甲斐を感じるとき

 

衛生士として大先輩の先生方のお話は患者様との接し方、施術の仕方、治療の流れなどを症例にそってお話してくださいました。

 

患者様からの心に響く言葉。

「命の恩人なの!」

「血圧、血糖値が安定し、内科の先生に褒められました」

「歯をケアすることは、自分を大事にすることだと知りました」

このような言葉を言っていただけること、それは衛生士としてやりがいへも繋がり、楽しさを感じることのできるパワーの源になります。

 

では、どんな風に患者様と接し、1人1人違う歯周病治療の進め方を?という疑問に、これまで学んだ、継続するメンテナンスと伝わるブラッシング指導の講義を振り返りながら、各場面のポイントと言葉がけや接し方を学びました。

 

 

 

 

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<症例>

 

基本情報

・Yさん 男性

・62歳(現在66歳)経過4年

・全身的既往歴あり(高血圧、糖尿病)

・主訴…歯がグラグラしてきた

 

 

 

◯治療内容

 

前回の講義で学んだ歯周病治療の進め方①問診・診査・診断から⑥メンテナンスのステップから患者様にあった治療内容を決めます!

 

 

①問診・診査・診断

 

・問診…患者様の性格、生活習慣の把握

既往歴に関して、高血圧、糖尿病と診断されてる→血圧、Hba1c、服用薬の把握など

 

患者様との会話や仕草や表情、雰囲気から、読み取る。

患者様の情報→とても真面目な方、専業主夫、ダイエット中、食べること大好き!

40代で高血圧と診断、血圧は薬でコントロール、140/90、Hba1c問題なしと言われてる。

服用薬:ベイスイ錠、アダラート錠

 

☆ポイント
服用薬から副作用で口腔内にも関係する薬があります!

 

・口渇…ベイスイ錠(糖尿治療薬)、アダラート錠(高血圧治療薬)

・歯肉増殖…アダラート錠、ニフェジピン・アムロジピン(血圧降下薬)

・診査・診断…全額的に歯肉増殖を伴う「重度歯周炎」(歯肉増殖は薬の副作用からも考えられる)

 

 

②治療計画

 ☆ポイント
現状をきちんと診断して、患者様に説明をしていく。この時相互理解が重要で、患者様にも協力して頂き二人三脚で治療をスタートできるよう患者様に寄り添う。例えば「気を使わずにしんどい時は言ってくださいね。」など、どんな時でも患者様のサポートであり続けるための声かけが大切になる。

 

 

③基本治療

 

相互理解からの基本治療がスタートになる。

 

☆ポイント
歯周病治療はまずは見えるプラークから取り除くこと!

TBIがスタート地点になりとても重要なことがわかる。

 

患者様の状況(口渇自覚症状あり、歯肉の痛みなし、PD7ミリ以上72%、BOP90%など)

→大きめヘッド、密毛、テーパー毛、歯間に突っ込み磨き、うがい指導をお伝え。

 

☆ポイント
TBIの時には技術のお伝えの前に気持ちを引き出すことが大切!

 

 

 

 

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④再評価

 

3つのステップ

 

1、情報整理…良くなったことPCR/BOP、患者の自覚の有無

2、問題抽出…kr協力的DH残石その他根分岐部歯の位置異常

3、今後方針…再TBI、再SRP

 

Yさんの理想的なゴール

PCR40%、BOP45%を目指すには…抜歯、歯周外科が必要と判断

→しかし患者様の希望はできるだけ自分の歯を残したい!とのことで

考えられるリスクを伝えた上での「進行抑制を目的」としたメンテナンスへ

 

 

⑤歯周外科手術

 

患者様の希望によりなし

 

 

⑥メンテナンス

 

PCR、BOP共に30%を目標として

・患者様には見えるところの細菌を減らす

・DHは見えない歯茎の中の細菌を減らす

役割分担と患者様のサポートとなる!

 

メンテナンスでは、その都度患者様の気持ちに変化がないかの確認や口腔内に合わせた歯ブラシ、歯間ブラシの変更、再度TBIをお伝えすることが必要で、その都度患者様の気持ちに合わせて寄り添っていくことが必要になる。

Yさんは初診から1年後にはBOPが目標の30%に!

 

☆ポイント
歯肉炎の症状が落ち着いてから咬合調整をする。(歯肉炎がある状態でしても今後歯肉が良くなるにつれ歯は動く可能性があるため)

 

その後もBOP25%までに落ち着き、メンテナンスがスタートして3年後にしても抜歯が必要な歯を持たせることができている。

 

 

 

 

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知識だけでなく観察力や思いやる心の大切さ

 

今回はこの症例以外にも他2症例を聞かせて頂きました。

自分にはない考えや方法を学ぶことができました。

岡村先生の最後の言葉「正直に正直にそして丁寧に向き合うことで患者様との信頼関係がつくられる」心に響きました。明日からの診療で、今回学んだ知識と、この正直に丁寧に向き合える衛生士であるように日々意識し取り組んでいきたいです。

歯周病の進め方、その時その時の衛生士の判断力や知識、そして観察力が重要だと再確認もできました。

そんな衛生士として必要な知識だけではなく判断力や観察力、そして患者様のことを思いやる心のあり方を教えてくれる場、それがテンダースペースだと毎回実感します。貴重な時間をありがとうございます。

 

 

5期生 大上 佳純